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OpenSUSE16.0 : Clamav ( アンチウィルスソフト ) , メールサーバー インストール

1. Clamav ( アンチウィルスソフト )の導入

1.1 Clamav をインストール
1.2 定義ファイル更新

①ウイルス定義ファイル更新設定

②ウイルス定義ファイル更新

最後にWARNING: Clamd was NOT notified: Can't connect to clamd through /run/clamav/clamd-socket: No such file or directory と表示されますが問題ありません

1.3 動作確認

①ウィルスが検出されなかった場合

➁ウィルスが検出される場合
テスト用ウィルスをダウンロードし、スキャンする

1.4 ウィルススキャン自動実行スクリプトの導入

①スクリプト保存ディレクトリーの作成

②自動実行スクリプト作成

clamscan.sh を次の内容で/srv/www/systemに作成

スクリプトに実行権限を与える

sys ディレクトリ、proc ディレクトリは仕様でスキャン出来ないため、対象外にする
またopenSUSEは大量のスナップショットを作成するので対象外にしておく

ウィルススキャンの定期実行設定
cronieをインストールする

「/srv/www/system/clamscan.sh」を実行し、システム全体をスキャン

2.  メールサーバー インストール

2.1 Postfixインストール

①Postfix をインストールして SMTPサーバーを構築します

②Postfix設定
メール不正中継防止に、後述の Dovecot の SASL機能を利用し、送信にも認証を要求するように Postfix を設定します。

③Firewalld を有効にしている場合は SMTP サービスの許可が必要です。SMTP は 25/TCP を使用します

2.2 Dovecot インストール

公式リポジトリーからインストールするとDovecot2.4.1がインストールされますが、Dovecot2.4.1の設定ファイルの書き方が難しく私の能力の範疇を超えておりますので、あえて非公式ですがコミュニティーのサイトで公表されていますDovecot2.3のopenSUSE16用のリポジトリーを追加してDovecot2.3をインストールします(Dovecot2.3.21がインストールされます)

①リポジトリーの追加

➁インストール

➂Dovecot設定
Postfix に SASL 機能が提供できるよう Dovecot を設定します。

④Dovecot起動と自動実行

⑤Firewalld を有効にしている場合は POP/IMAP サービスの許可が必要
POP は 110/TCP, IMAP は 143/TCP を使用します

2.3 ユーザーアカウント登録

今回はOSユーザー"huong"を登録します。
①メールクライアントインストール

②メールボックスは Maildir を参照するよう設定

※もし、既設ユーザー(huong)のホームディレクトリーにMaildirディレクトリーが作成されていない場合は下記の通り手作業で作成する

2.4 作動確認

フリーのメールクライアントThunderbirdにアカウントを設定して作動確認します。
ただし、お使いのプロバイダーによっては送信サーバーに587番ポートを使用する場合がありますのでfirewall設定で587を解放しておきます。

Mozilla Thunderbirdにアカウントを設定し、確認します(メールユーザーとしてOSユーザーhuongの場合)
Thunderbirdを起動し、右上の[三本]メニューの[New Account][Email]をクリック

Full name : 任意の名称
Email address : huong@<domain-name>
をそれぞれ入力し、「Continue」クリック

[EDIT CONFIGURATION]をクリック

受信サーバーの設定
[Connection security]を[None]にして[Continue]をクリック

送信サーバーの設定
[Connection security]を[None]にして[Test]をクリック

[Continue]をクリック

[Password]欄にユーザーのパスワードを入力し、[Continue]をクリック

[Continue]をクリック

メールアカウントの作成が成功しましたので、[Finish]をクリック

3. Mail サーバー : Postfix + Clamav + clamav-milter+SpamAssassin

3.1 メールのリアルタイムスキャン

①clamav-milterインストール
Clam AntiVirusを使用してメールサーバー側でメールに対するウイルスチェックを行う。
メールサーバーとClam AntiVirusとの連携はclamav-milterを利用して行なう。

➁clamav-milter設定
clamav-milter設定ファイル編集
clamav-milterのUNIXソケットのアクセス権については、大半の情報によれば「660」を指定することになっているが当方の環境では起動しなくなりセキュリティ上問題ですが「666」に設定しました

➂clamav-milter起動・自動起動設定

④Postfix・clamav-milter連携設定
Postfix設定ファイル編集

⑤clamiltグループにpostfixユーザーを追加
なぜかclamiltグルーブ・ユーザーがインストール時に作成されなかったので作成しておく

clamiltグループにpostfixユーザーを追加

⑥Postfix設定反映

⑦Thunderbirdで確認
Thunderbirdで自分宛に空メールを送付し、受信メールのヘッダー表示部分に下記のように
X-Virus-Scanned: clamav-milter 1.4.3 at lepard
X-Virus-Status: Clean

が表示される

X-Mozilla-Status: 0001
X-Mozilla-Status2: 00000000
Return-Path: <xxxxx@xxxxxxx.com>
X-Original-To: xxxxx@xxxxxxx.com
Delivered-To: xxxxx@xxxxxxx.com
Received: from [192.168.11.6] (buffalo.setup [192.168.11.1])
by mail.xxxxxxx.com (Postfix) with ESMTPA id 4B4E6D2D1
for <xxxxx@xxxxxxx.com>; Mon, 06 Oct 2025 19:05:40 +0900 (JST)
Message-ID: <62b016f4-f943-4d28-a0db-80fca430dd70@xxxxxxx.com>
Date: Mon, 6 Oct 2025 19:05:40 +0900
MIME-Version: 1.0
User-Agent: Mozilla Thunderbird
From: xxxxx <xxxxx@xxxxxxx.com>
Content-Language: en-US
To: xxxxx <xxxxx@xxxxxxx.com>
Content-Type: text/plain; charset=UTF-8; format=flowed
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Virus-Scanned: clamav-milter 1.4.3 at lepard
X-Virus-Status: Clean

自分自身にメール本文が「X5O!P%@AP[4\PZX54(P^)7CC)7}$EICAR-STANDARD-ANTIVIRUS-TEST-FILE!$H+H*」のメールを送ってみて、メールが破棄されて届かないことを確認する

3.2 メールのスパム対策
3.2.1 SpamAssassin・spamass-milter・postfix設定

①SpamAssassin・spamass-milterインストール

spamass-milterは公式リポジトリーに見つかりませんでしたので実験的なものをリポジトリー追加してインストールしております

➁SpamAssassin起動

➂SpamAssassin の設定

④SpamAssassin 設定ファイル最新化スクリプト
/etc/cron.daily配下にスクリプト作成

spamassassin-update スクリプトに実行権限を付与し、実行

/etc/mail/spamassassin ディレクトリにSpamAssassin 設定ファイル(local.cf)が当日日付で
作成されていることを確認

⑤spamass-milter起動・自動起動設定

⑥Postfix・spamass-milter連携設定

⑧postfix を再起動

⑨Procmail設定
procmail設定ファイル作成

procmailログローテーション設定ファイル作成

⑩Postfix・Procmail連携設定

Postfix設定反映

3.2.2 スパムメール振分け設定

SpamAssassinによりメールヘッダにスパムメールの印を付けられたメールはスパム専用メールボックスへ、その他のメールは通常どおりのメールボックスへ配送するようにする。

①スパム専用メールボックス作成
既存ユーザーについては、メールボックスにスパム専用メールボックスを追加する。
また、新規ユーザーについては、ユーザー追加時に自動でスパム専用メールボックスが作成されるようにする 。
スパム専用メールボックス作成スクリプト作成

スパム専用メールボックス作成スクリプト実行

新規ユーザー対策
新規ユーザー追加時に自動でスパム専用メールボックス作成

➁スパムメール振分け
SpamAssassinがスパム判定したメールはスパム専用メールボックスへ配送する

➂spamass-milter確認
自分自身に空メールを送ると、受信したメールのヘッダに以下のメッセージが付加されている
X-Spam-Status: No, score=2.2 required=8.0 tests=ALL_TRUSTED,
CONTENT_TYPE_PRESENT,EMPTY_MESSAGE autolearn=no autolearn_force=no
version=4.0.1
X-Spam-Level: **
X-Spam-Checker-Version: SpamAssassin 4.0.1 (2024-03-26) on lepard

X-Mozilla-Status: 0001
X-Mozilla-Status2: 00000000
Return-Path: <xxxxx@xxxxxxx.com>
X-Original-To: xxxxx@xxxxxxx.com
Delivered-To: xxxxx@xxxxxxx.com
Received: from [192.168.11.6] (buffalo.setup [192.168.11.1])
by mail.xxxxxxx.com (Postfix) with ESMTPA id 05DF5D432
for <xxxxx@xxxxxxx.com>; Tue, 07 Oct 2025 09:49:00 +0900 (JST)
Message-ID: <87078198-4413-4907-a72a-0dd7500d1c00@korodes.com>
Date: Tue, 7 Oct 2025 09:48:59 +0900
MIME-Version: 1.0
User-Agent: Mozilla Thunderbird
From: huong <xxxxx@xxxxxxx.com>
Content-Language: en-US
To: huong <xxxxx@xxxxxxx.com>
Content-Type: text/plain; charset=UTF-8; format=flowed
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Virus-Scanned: clamav-milter 1.4.3 at lepard
X-Virus-Status: Clean
X-Spam-Status: No, score=2.2 required=8.0 tests=ALL_TRUSTED,
CONTENT_TYPE_PRESENT,EMPTY_MESSAGE autolearn=no autolearn_force=no
version=4.0.1
X-Spam-Level: **
X-Spam-Checker-Version: SpamAssassin 4.0.1 (2024-03-26) on Lepard

④スパムチェック確認
自分自身にメール本文が「XJS*C4JDBQADN1.NSBN3*2IDNEN*GTUBE-STANDARD-ANTI-UBE-TEST-EMAIL*C.34X」のメールを送るとメールは配信されずSpamフォルダへ振り分けられていることを確認する
メールヘッダーには次のように表示されている

Return-Path: <xxxxx@xxxxxxx.com>
X-Original-To: xxxxx@xxxxxxx.com
Delivered-To: xxxxx@xxxxxxx.com
Received: from [192.168.11.6] (buffalo.setup [192.168.11.1])
by mail.xxxxxx.com (Postfix) with ESMTPA id A8698D433
for <xxxxx@xxxxxxx.com>; Tue, 07 Oct 2025 09:53:05 +0900 (JST)
Content-Type: multipart/alternative;
boundary="------------bXIP72VG7BUq5TDt8w65TTDf"
Message-ID: <25095fa1-94da-4024-a2a2-eca90c5d91f9@korodes.com>
Date: Tue, 7 Oct 2025 09:53:05 +0900
MIME-Version: 1.0
User-Agent: Mozilla Thunderbird
From: xxxxx <xxxxx@xxxxxxx.com>
Content-Language: en-US
To: xxxxx <xxxxx@xxxxxxx.com>
Subject: Spam Test
X-Virus-Scanned: clamav-milter 1.4.3 at lepard
X-Virus-Status: Clean
X-Spam-Flag: YES
X-Spam-Status: Yes, score=1003.3 required=8.0 tests=ALL_TRUSTED,
CONTENT_TYPE_PRESENT,GTUBE,HTML_MESSAGE,MPART_ALT_DIFF,
MULTIPART_ALTERNATIVE autolearn=no autolearn_force=no version=4.0.1
X-Spam-Report:
* 0.1 ALL_TRUSTED Passed through trusted hosts only via SMTP
* 0.1 MULTIPART_ALTERNATIVE Multipart/alternative
* -0.1 CONTENT_TYPE_PRESENT exists:Content-Type
* 1000 GTUBE BODY: Generic Test for Unsolicited Bulk Email
* 2.2 MPART_ALT_DIFF BODY: HTML and text parts are different
* 1.0 HTML_MESSAGE BODY: HTML included in message
X-Spam-Level: **************************************************
X-Spam-Checker-Version: SpamAssassin 4.0.1 (2024-03-26) on lepard

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