MiracleLinux9.4 ; OSインストール、初期設定

1. MiracleLinux

MIRACLE LINUXとは、サイバートラスト株式会社が提供する日本製のLinuxディストリビューションです。2000年6月に日本オラクルとNECにより設立されたミラクル・リナックス社(現:サイバートラスト社)により、業務用からエンタープライズ向けを対象としたOracle Databaseの安定稼働を目的として開発が開始されました。2001年5月にリリースしたVersion2.0からRHELベースとして作られ、2012年1月にリリースされたVersion6.0からは完全なRHELクローンとして作られています。最新のバージョンは2024年9月2日 リリースの9.4となっていますが9.2と同様にインストールできます

国産のRHELクローンとして有名なMIRACLE LINUXは、当初は有償ライセンスの商用OSでしたが、CnetOS8の終了を受け、最新の8.4から無償提供すると発表しました。そのため、現在、CentOS8,CentOS Stream9からの移行先候補として脚光を浴びているOSです。

MiracleLinux9.4 ; ダウンロード

MiracleLinux ISO イメージファイルは次の公式ホームページから取得できます

MiracleLinux 9.4 ; インストール

"MIRACLELINUX-9.4-rtm-x86_64.iso"をダウンロードしUSBディスクにインストールディスクを作成し実機にインストールするか、Vmware playerかVirtualBoxで仮想マシンを作成しインストールします。
インストール方法はMIRACLE LINUX9.2を参照してください。

2.SELinuxの無効化

まず、selinuxを無効化します。selinuxはLinuxの監査やセキュリティを向上させる機能ですが、有効になっているとサービスの動作や、設定内容にかなりの制限が出てきます。そのため、基本的には無効にする場合が多いのが実情です。
SELinuxの動作モード
Enforcing : SELinux機能は有効でアクセス制御も有効
Permissive : SElinuxはwarningを出すが、アクセス制限は行われません
disabled : SElinux機能・アクセス制御ともに無効

①現在のSELinuxの状態

②[permissive]モードへの切り替え

③[enforcing]モードへの切り替え

④SELinux を完全に無効化する場合は、以下のようにカーネルコマンドラインに selinux=0 を追加して再起動が必要です。

※ SELinux 有効に戻す場合は以下 (変更後は再起動)

3.システムの最新化

OSインストール直後にはできるだけ早期にパッケージのアップデートを行います。
しかし、dnf updateを行うと、カーネルアップデートも同時に行われます。
カーネルアップデートを行うと、システムの再起動やサービスの停止が必要だったり、最悪カーネルパニックが発生して、システムが起動しない場合があります。カーネルを除外してアップデートする方が賢明です。
dnf -y updateの後ろに「--exclude=kernel*」を指定して実行することで
カーネルをアップデート対象から除外することできます。

4.セキュリティ対策のため停止するサービス

5.リポジトリーの追加

5.1 PowerTools / HighAvailability

PowerTools と HighAvailability は、miraclelinux-repos をアップデートしリポジトリを有効化することで利用できます。
まずは、miraclelinux-repos をアップデートします。

①PowerTools は、以下のようにリポジトリを有効化することで利用が可能です。

②HighAvailability は、以下のようにリポジトリを有効化することで利用が可能です。

5.2 EPEL repository を追加

EPEL は、Fedora プロジェクトによって提供されているリポジトリで、正式名称は Extra Packages for Enterprise Linux です。このリポジトリの特徴は、ディストリビューションのリポジトリに含まれていないもので、よく使われるパッケージが多く含まれているという点です。
EPEL では RHEL 9 向けにリポジトリ追加用のパッケージが提供されているため、MIRACLE LINUX 9 の場合でもパッケージをインストールするのみで利用が可能です。

インストール後は、/etc/yum.repos.d に以下のリポジトリファイルが追加され、利用可能な状態となります。
epel-cisco-openh264.repo
epel.repo
epel-testing.repo

5.3 Remi's RPM repository を追加

インストール後は、/etc/yum.repos.d に以下のリポジトリファイルが追加され、利用可能な状態となります。
remi.repo
remi-modular.repo
remi-safe.repo

6.ネットワークの設定

6.1 ネットワークデバイス名の確認

ネットワークデバイス名は「ens160」と分かります

6.2 ホスト名の変更

試しにホスト名をLepardに変更します

6.3 固定IPv4アドレス設定

5.1よりネットワークインターフェースの名称は「ens160」である
MiracleLinux8ではnetwork-scriptsにあったifcfg-xxxファイルを書き換えて変更できましたが、MiracleLinux9では/etc/sysconfig/network-scripts/ディレクトリーの中身は空でありこの方法は使えませんので、「nmcli」コマンドで変更します。
固定IPv4アドレスを「192.168.11.83」に変更します。

「nmcli」コマンドで変更

7.Vimの設定

①Vimのインストール

②Vimの適用と反映

③ユーザー固有環境として Vim の設定

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